最近eワラントへの投資が少しずつ注目されていますが、eワラントはハイリスク・ハイリターンの商品です。例えば、今まで株式投資中心だった場合、株式投資のときと同じ感覚でeワラントを購入すると、その値動きの大きさに驚くと思います。実効ギアリングが小さいものについては値動きのリスクは低く、プレミアムが小さいものについては満期日まで保有した際のリスクが低くなっています。はじめはこのような点に気を付けて、小額のFX投資から始めていけば良いと思います。また、株価はデリケートで様々なニュースに反応しますが、eワラントは更にデリケートで長期的に影響が少ないと思われるニュースについても注意が必要になりますので、eワラント購入の際にはニュースや決算などといった今後の予定をコマメにチェックしておきましょう。さらにeワラントには期限があり、期限が来ると状況に関らず強制的に精算されてしまいますので、「いつか上がる」という考え方ではダメです。つまり儲けを出すためには、期限までに上がる必要があり、もし上がりそうにない銘柄なら、時間的価値の減少も考慮に入れる必要があり、早めに損切りした方が良い場合もあります。ところで、eワラントとは具体的にどのようなものかというと、株価や株価指数、FX相場などに連動しながら値動きするように設計されている債券にたいするオプションについて証券化をした債券(カバードワラント)といえます。ちょっと難しいですね。もう少し簡単な表現をすると、「既製品のオプション」ということになります。ゴールドマン・サックスという会社がリアルタイムで価格を決定して売買の相手方になり、満期日の前日まで、各取扱証券会社を通じて自由な売買を行うことができますが、その際に顧客は買いから取引をスタートします。そして権利行使ができる状況になると、利益が出る場合に限って自動的に無料で行うことが可能です。タイプには2種類あり、対象が高くなると値上がりする「コール」と、対象が安くなると値上がりする「プット」に分けられ、コール型は満期日において決められた金額で対象である原資産を買うことができ、プット型はそれとは逆に売ることができます。(実際には満期日の価値にて清算することになります。)メリットは、少額の資金・コストでより多くの利益を得ることが出来る可能性があり、「値上がり」「値下がり」どちらの局面でも利益を得られる機会があるという点が挙げられます。逆に購入したeワラントの価値がゼロになってしまうこともあり得ますが、その場合の損失はあくまでも購入価格に限定されています。また「ニアピンeワラント」という、あらかじめ決められた価格に近くなった時に価値が生まれるという性質のeワラントが発行されています。さて、気になる税金ですが、eワラントは「債券」になりますので満期前に売買した際の差益は「譲渡所得」に、満期時に権利行使した際の差益は「雑所得」になります。譲渡所得の場合は他の譲渡所得とあわせて計算することができ、もし利益があれば最大で50万円の特別控除を差し引けます。逆に損失が出れば、他の所得から差し引いて申告することができます。eワラントの特徴を理解するには、eワラントと日本株式を比較してみるとより分かりやすいでしょう。実際の銘柄を例に挙げて、具体的に儲けやリスクについて見てみましょう。まずリターンですが、ここでは「トヨタ自動車」の株価の値動きを例に見てみることにしましょう。トヨタ自動車の株を5000円で購入し5150円で売れたとした場合、株価の上昇率はプラス3%ですが、この銘柄の単元は100単元になので50万円投資していたら得られる利益は15000円になりますね。これが、トヨタ自動車eワラントの場合はどうなるかというと、例えば株価が5000円の時にeワラントは15円、株価が5150円の時には17.7円にまでなっていたとします。この時、eワラントの上昇率はプラス18%となります。このことから、先ほどと同額である50万円を投資していた場合の利益は59万円になるのです。このように同じ銘柄を選択していても株式売買をeワラント売買にすることで、同じ値動きがあった際にeワラントの方がより大きな利益が得られる可能性があるのです。次にリスクですが、株取引で信用取引をしている場合の損失は「全て借金」となりますが、eワラントでは損失は全てを追証ではなく元本に限定して計算されます。つまり、どれだけ損をしまったとしても価値が0円になるだけ、とも言えます。さて、投資を開始する際に必要な資金ですが、株式の場合は最低でも50万円ほど用意する必要がありますが、eワラントの場合は単価が1円から30円程度となっていて購入単位は1000ワラント単位となるので、合計で1000円から30,000円を用意できれば投資出来る計算になります。ところで、実際にeワラントで購入できる銘柄は様々で、国内・海外株式、外国為替、指数、原油、金、銅、大豆などが用意されています。具体例をあげると、国内株式は東証が中心で約60銘柄、海外株式はアップルやグーグル、マイクロソフトなどに投資が可能となっています。また、原油や金、銅、大豆などという商品を先物取引などで実際に売買する場合には、海外のFX口座を開設したり、高額な手数料をとられたりと大変な部分が多くハードルが高いのですが、こういった商品をeワラントで取引する場合はそのような煩わしさもなく、とても簡単に投資出来るので、かなりハードルが低いといえるでしょう。eワラントに投資するにはどんなことに注意しなければならないのかとか投資するべきかどうかの基準などをいままで説明してきましたが実際に初心者がeワラントを購入するときに、そのeワラントにすればいいかは迷うところですよね。実施に投資するときの選択基準として注目すべき点としては、権利行使価格や満期日・実効ギアリング・実効スプレッド・時間的価値などが挙げられると思います。 その中で、eワラントを短期で勝負するのか、それとも長期で勝負するのかにより、どの数値を参考にするのかが違ってきます。 株価が大きな動きになると予想される際、短期の値幅を取る目的でeワラントを購入する場合は、実効ギアリングを最優先に選ぶことがポイントです。短期間しか保有しない為、時間的価値の減少はあまり気にする必要がない代わりに、実効ギアリングを優先してハイリスク・ハイリターンなeワラントを選ぶという選択肢を取るというのがひとつの考え方ではないでしょうか。 満期日までじっくりと保有したい場合は、権利行使価格を上回れそうなeワラントを選ぶ、そして時間的価値の少ないeワラントを選ぶことが大切になってきます。 満期日に権利行使価格を上回れないときはeワラント価格が0になるため、満期日に権利行使価格を上回っているということが絶対条件となります。 そして、時間的価値については満期日まで保有した際に0になってしまうため、この場合には時間的価値が少ないものを選ぶと良いでしょう。 eワラントを購入する際には、スプレッド分だけマイナスとなるために、スプレッドがどうしても気になってしまうかと思いますが、同じ銘柄の場合には実効スプレッドはほとんど同じですので、実際のところはどのeワラントも同じと考えられます。eワラントは、投資対象の保険的な意味合いもあるため投資対象はほけの金融商品と比べて多岐にわたっています。 では、eワラント投資をすでに行っている人達は、どのようなものを対象としてeワラント投資を行っているのでしょうか。 eワラントで活発に取引されるのはどんな対象原資産なのかを見ると、eワラントの投資者がeワラントをどのように使っているのか、ある程度推測出来るのではないかと思います。2007年の上位ランキングは次のようになっていました。1位 日経平均、2位 米ドルリンク債、3位 任天堂、4位 みずほフィナンシャルグループ、5位 ソフトバンク、6位 楽天、7位 豪ドルリンク債、8位 ハンセン指数、9位 ニュージーランドドル リンク債、10位 SUMCO(出所:ゴールドマン・サックス) これらの銘柄について、取引状況等より、eワラントがどうして利用されたのかを次のように推測することが出来ます。@投資資金が制約されてしまう株式に投資可能・・・任天堂、みずほ。A夜間取引が可能・・・日経平均、ハンセン指数、米ドルリンク債、豪ドルリンク債、ニュージーランドリンク債。B値動きが大きいためeワラント投資に最適だった・・・任天堂、SUMCO、ソフトバンク、楽天。C損失が最大で投資元本に限定される・・・日経平均、米ドルリンク債、豪ドルリンク債、ニュージーランドリンク債。Dレバレッジが効く・・・日経平均、ハンセン指数。E外国株のショートが可能・・・ハンセン指数。 最近、それぞれの国の株式市場の変動率が高まったということもあり、eワラントは活発に取引される状態が続いています。 ちなみに、取引上位の対象原資産について、現在のところはあまり大きな変化はありません。 ただ、経済の状況によっては多少変動があり、例えば株価が下げている局面では日経平均、ハンセンと任天堂などが中心となってプットの利用が増加しています。 なお、ショートポジションを持つこと自体に、あまり肯定的な見方をしない方もいらっしゃるようです。 市場というのは、様々な相場観を持った参加者が必要な場所です。 そのことによって流動性が提供されて、取引に厚みが出来てきます。 買いたい人がいても、売っている人がいなければ、売買の取引は成立しません。 また、機関投資家の多くは、保有株式のヘッジを機動的におこなっています。 少し前までは個人投資家にとって多くの制約があったものの、現在ではeワラントなどで多種多様な相場観を生かすことが出来る機会を提供されているので、柔軟な投資が行えます。